全般
どのくらいの大きさですか?
赤レンガで作った場合、本体サイズは幅:1090mm、奥行:650mm、高さ:700mmです。ただし手作業でレンガを積んでいくため、目地の厚さなどにより多少の誤差が生じます。設置場所については、作業スペースや煙突の位置、壁や柱からの離隔距離などを考慮したうえで決定してください
どのくらいの重さがありますか?
重量は本体のみで700kg(赤レンガ)~900kg(耐火レンガ)ほどあります。かなりの重量になりますので、メッシュ(鉄筋)を入れたコンクリート基礎、あるいは土間等平衡の取れる盤石な基礎の上に作ることをお奨めします。
設置にはどのていどのスペースを確保する必要がありますか?
1800mm×1800mm、畳2枚分ほどの面積を確保してください。設置場所については、作業スペースや煙突の位置、壁や柱からの離隔距離などを考慮したうえで決定してください
愛農かまどの耐用年数を教えてください
使う頻度や使い方にもよりますが、私たちが把握しているもっとも古いかまどは2004年に造られたもので、いまも現役で活躍しています。雨風を防げる場所に設置する、必要以上に薪をくべて焚かない等適切な利用を心がける、ひび割れたらモルタルを塗り込む等メンテナンスを行うなどすることで、より長くお使いいただけます。また、日々のメンテナンスを加えるほどにかまどへの愛着も湧いてきます。日々気にかけて、大切に、必要に応じて修繕を加えながら使っていってくだされば幸いです。
機能
愛農かまどの特徴を教えてください。
薪を燃やして得た熱を余さず調理に利用し、かつ、お釜の底にうまく火が回り煮えむらなくおいしくご飯が炊けるように、焚き口と金輪のサイズの比率、焚き口から鍋底の距離、薪をくべるロストルの隙間のサイズ、ロストル面全体に占める隙間の割合、ロストルから金輪までの距離、煙突の直径などが設計されています。なかでも重要なのが木型によって形作る内部の構造。特殊な形状の焚き口底部から煙突へと続く煙道は熱の滞留時間が長くなるようにS字状に作られ、焚き口は一つですが、煙道の軌道上にもう一つ置くことができる羽釜でも余熱を利用し調理することができます。またかまどには珍しくオーブンが付いており、パンやお菓子を焼いたり食材をグリルしたりとオーブン料理を楽しむことができるのも特徴です。
愛農かまどで部屋を暖めることもできますか?
愛農かまどは「熱効率のいいかまど」です。それはつまり、薪を燃焼させることで作った熱をできるだけ多く「調理に」活かすことができる(捨てる熱・周囲に発せられる熱が少ない)ように設計されているということです。そのため暖房器具としての機能は期待できません。
製作
愛農かまどを作りたい場合、どうすればよいですか?
こちらのページ(「愛農かまどをつくるには」のページ)をご覧のうえ、お問い合わせフォームからご連絡ください。
製作にはどれくらいの日数が必要ですか?
ワークショップなどを通して複数人で製作する場合、3日ていどで作り上げることが多いですが、設計図の貸出期間は1ヶ月、木型の貸し出し期間は1週間あるので、その期間内で少しずつ積み上げ、必要になってから木型を借りるなどして最長1ヶ月をかけて作っていただくこともできます
作る上でどんな作業があるのでしょうか?
モルタルを練り、水平をとりながらレンガを積む、ドラム缶を加工する、フラットバーを切断する、レンガを削って加工するなどです。レンガをグラインダー等で加工する際に粉塵が舞うので、作業場所によっては事前に養生が必要となります。
子どもも一緒に作れますか?
愛農かまどを作る作業には、レンガを積む、粘土をこねるなどお子様ができる作業もありますのでいっしょに作っていただけます。ただし、グラインダーを使う作業など危険を伴うものは大人が行うなど、安全には十分ご配慮ください。
家の中に作ることは出来ますか?
古民家の土間などかまどを置いて使うことを想定している場所を除き、基本的に屋内への設置はできません。機密性の高い現代の住宅にお住まいの場合は、火災のほか一酸化炭素中毒の危険性もあります。雨風をしのげる屋外に設置場所を確保しましょう。
テラスやウッドデッキの上に作ることはできますか?
本体の重量のみで700kg~900kgとかなりの重量があることから、テラスやウッドデッキなどの脆弱な土台の上に作ると崩壊の危険性があること、また「大地に根ざすかまど」であることを大切にしていることからテラスやウッドデッキ等の上には作らないでください。
借家なので可動式の愛農かまどにしたいのですが可能でしょうか?
愛農かまどは可動することを前提として作られていません。700kg~900kgとかなりの重量があることから、何かの上に作り移動させて利用すると崩壊の危険性があること、また「大地に根ざすかまど」であることを大切にしていることから可動式のかまどは作らないでください。
どれくらいの費用がかかりますか?
材料費に5~7万円程度(購入場所や情勢により変動)、木型レンタル料(1週間)3万円、自作の場合は設計図レンタル料(1か月)2万円、加えて伝承者に製作サポートをお願いされる場合は、日当や交通費、道具一式レンタル料(グラインダー、スポンジ、水平器、ブルーシート、レンガゴテなど)、宿泊・食費などがかかる場合があります(伝承者と作る場合は設計図レンタル料はかかりません)。伝承者により金額などに差がありますので、それぞれの伝承者にご確認ください。
伝承者といっしょに作る場合、煙突の施行までお願いできますか?
設置場所や設置方法、煙突の素材等によっては火災を引き起こす危険性があること、愛農かまどの機能を最大限に発揮する煙突施工やメンテナンスのしやすさなどを考慮すると、知識と経験がある専門家に施工をお願いされることを強くお奨めします。
製作を工務店などの業者にお願いしても良いのでしょうか?
愛農かまどは、使っていく方自身が、仲間や家族といっしょに作り上げていくということを大切にしています。工務店にお願いされる場合でも、ぜひその作業に加わり、かまどやかまどが根差している大地、地域、仲間とつながり、その先にある「かまどと共にある暮らし」をより豊かなものにしていただけたらと願っています。
伝承者に施工をすべてお願いすることは出来ますか?
伝承者は施工業者ではなく、みなさんのかまど作りをサポートする伴走者です。伝承者にお願いされる場合でも、ぜひその作業に加わり、かまどやかまどが根差している大地、地域、仲間とつながり、その先にある「かまどと共にある暮らし」をより豊かなものにしていただけたらと願っています。
かまどの実物を見てから設置するかどうかを決めたいと思っています。どこで見学が出来ますか?
まずは事務局に連絡をしてください。見学可能なかまどをご案内します。
調理
愛農かまどを使ってどんな料理ができますか?
炊飯や汁物調理に加え、蒸す、揚げる、炒めるなど通常のコンロのように使用可能です。オーブンでは焼き菓子やグリル料理(パン、クッキー、タンドリーチキン、キッシュなど)もできます。(レシピページ)
鍋釜を置く掛口が2か所ありますが、同時に2か所で調理できますか?
愛農かまどには焚口は一つしかなく、炊飯など高熱で調理ができるのは焚口の上、直火があたる一か所のみです。使い方にもよりますが、煙突に近いほうの掛け口では、お湯を沸かす、焚き口の上の掛け口で調理をした汁物などを保温するなどできます。
鋳物類
鋳物製の金輪や焚口扉は必要ですか?
鍋釜を安定して置くことができるよう金輪の設置は必須です。愛農かまどにぴったりのサイズの鋳物製の金輪の生産がすでに国内で行われていないため、富山の鋳物屋さんに特注し愛農会で復刻しました。金輪大はかまどに固定、小は大の上に重ねて使うことで一回り小さな羽釜や鍋を置いて使うことができます。かまどに固定して使う大は必ず必要となりますが、ぴったりサイズのものが手に入るようなら愛農会でご購入いただく必要はありません。板金製のものもあるようですが、耐久性の面から鋳物製をお奨めしています。
焚口の扉については、ドラム缶の残った部分などで自作していただくこともできますが、薪のくべやすさ、火力の調整のためにも、愛農会で復刻した「愛農かまど」銘入りの焚口扉のご利用をお奨めします。
鋳物類(焚口蓋・金輪)を購入するにはどうしたらいいですか
愛農会を通してこれからかまどを作る方、あるいは作った方にのみ販売しています。該当すると思われる方は愛農会事務局にお問い合わせの上、購入したい鋳物の種類と数をお知らせ下さい。